カンロはキャンディやグミなどの菓子を中心に手がける食品メーカーで、飴市場やキャンディ市場で高いシェアを持つブランド企業です。代表的な既存ブランドには「カンロ飴」「金のミルク」「健康のど飴」「ノンシュガー」「ピュレグミ」「カンデミーナ」などがあり、2024年の売上は飴・グミが主軸となっています。ブランド基軸での経営と顧客起点の商品開発を掲げ、「Kanro Vision 2.0」に沿って既存コア事業の強化と新規事業の二軸展開を進めています。 コア事業ではマーケティングとブランド開発を一体化し、既存主力ブランドの育成・強化を図っています。国内ではキャンディ市場シェアでトップ、飴（ハードキャンディ）でもトップ、グミ市場では2位であり、ブランドを軸にしたシェア拡大が狙いです。 新規事業ではグローバル事業、ヒトツブ事業、デジタルコマース事業、フューチャーデザイン事業を掲げています。グローバル事業では米国やアジアでの販路拡大、ヒトツブ事業では直営店「ヒトツブカンロ」やオリジナル商品の開発、ポップアップ展開でブランド認知を高めています。デジタルコマースでは「Kanro POCKeT」オンラインショップやEC専用商品の投入、顧客体験価値（CX）向上を目指した取り組みが進んでいます。フューチャーデザイン事業では「サステナブル」と「well-being」をキーワードに、廃棄包材のアップサイクルや協業による新市場チャレンジに取り組んでいます。 投資家目線では、確立したブランド力と国内での高い市場シェアが安定性の源泉になっています。一方で成長軸として海外展開や直営店・ECを通じた新規事業の育成に注力しているため、これらの取り組みの進展が今後の注目点になりそうです。柔らかな結語として、ブランド基軸の経営を軸に既存と新規の両面で展開していく姿勢がうかがえます。