イオン(8267)2026年2月期第1四半期決算を徹底分析 ― 公式資料から読み解く最新業績と株主還元の行方¶
イオン株式会社(証券コード:8267)が2026年2月期第1四半期の決算を発表。売上・営業利益ともに過去最高を更新する一方で、純利益は赤字転落という意外な結果に。
本稿では、公式決算短信・決算説明資料をもとに、事業別の実態、投資判断への影響、株主還元の動向まで、初心者にもわかりやすく解説します。
✅ 決算サマリー(2026年2月期第1四半期・連結)¶
指標 | 今期実績 | 前年同期比 | 評価 |
---|---|---|---|
売上高(営業収益) | 25,668億円 | +4.8% | 好調 |
営業利益 | 562億円 | +17.8% | 過去最高・堅調 |
経常利益 | 480億円 | +5.9% | 堅調 |
親会社株主に帰属純利益 | ▲65億円 | 前年 +33億円 → 今期赤字 | 赤字転落 |
※2025年4月以降に法人税等に関する新会計基準を適用(遡及修正あり)
出典:イオン公式決算資料(2025年7月31日)
🔍 ポイント①:営業利益は過去最高、だが純利益は赤字転落¶
- 食品や生活必需品の需要が底堅く、グループ全体の営業収益は初の2.5兆円超え。
- 構造改革・DX・PB商品の強化によるコスト効率化と収益改善が進展。
- 一方、税効果会計の影響による一過性損失で純利益は赤字に転落。
🔍 ポイント②:主要事業セグメントの動向(抜粋)¶
GMS事業(総合スーパー)¶
- 売上:8,882億円(前年比+4.0%)
- 営業損失:▲17億円(前年▲33億→改善)
- PB(トップバリュ)食品が前年比+9.4%と好調。DX・AI導入で生産性向上中。
SM事業(スーパーマーケット)¶
- 営業利益:69億円(前年+35億円)
- まいばすけっとやミニストップの黒字化が牽引。販管費改革やDX活用も寄与。
ヘルス&ウエルネス事業(ウエルシアなど)¶
- 営業利益:84億円(前年+31億円)
- PB商品が前年比+20%。ツルハとの統合が本格始動、収益性改善が進行。
ディベロッパー事業(イオンモール等)¶
- 営業利益:171億円(前年比+14億円)
- 国内外モールで集客回復、免税売上は1.5倍。ESG・DXモールへの期待大。
国際事業(中国・ASEANなど)¶
- 営業利益:42億円(前年比+2億円)
- ベトナムやマレーシアが牽引。中国でも北京・湖北などで収益改善。
💰 株主還元策のアップデート¶
配当(※2025年9月1日に1→3の株式分割予定)¶
項目 | 前期実績 | 今期(分割考慮後) |
---|---|---|
中間配当 | 20円(記念配含) | 20円 |
期末配当 | 21円(記念配含) | 7円 |
年間合計 | 41円 | 27円(分割後) |
配当利回り目安 | 約1.3% | 安定的 |
※実質的には前年と同水準の安定配当。分割により少額投資家にも優しく。
株主優待(オーナーズカード)¶
- 3%以上のキャッシュバック(最大7%)
- 半年ごとに返金される実質利回り型の優待
- ラウンジ・割引券などの特典付き
- 優待目的での長期保有者多数(個人投資家に人気)
📈 投資判断のポイント¶
ポジティブ要素¶
- 【営業利益】は過去最高。主要事業が利益成長軌道に。
- 【PB戦略】やDXの浸透で構造改革が順調。
- 【配当と優待】の安定性で長期保有向け。
リスク要因¶
- 【純利益赤字】は特殊要因も、投資家心理にマイナス。
- 【インフレ・為替・人件費】など外部環境のコスト上昇。
- 【海外展開】は政治・経済リスクを伴う。
📊 株価インパクト(発表前後の株価変動)¶
指標 | 値段 |
---|---|
発表前終値 | 4,833円(2025年7月31日) |
発表当日終値 | 5,100円(2025年8月1日) |
騰落率 | +5.52% |
- 営業利益の上振れ着地やモール事業の復調が好感され、株価は年初来高値を更新。
- 出典: Yahoo!ファイナンス 8267.T
🏁 総合評価:この決算は「ポジティブ」¶
- 営業利益が過去最高を更新し、構造改革の成果が明確に。
- 税効果による純利益赤字は一過性であり、本業の稼ぐ力はむしろ強化。
- 市場もポジティブに反応し、株価は+5.5%上昇・高値更新。
- 配当・優待の安定性、セグメント成長、DX推進なども追い風。
- よって、投資判断としては「ポジティブ決算」と評価可能。
🗣 投資家の声(口コミ・レビューより)¶
- 「オーナーズカードの還元が魅力で長期保有しています」
- 「イオンラウンジでの休憩が楽しみ」
- 「増配・株式分割で応援したくなる銘柄」
Q&Aでおさらい¶
Q. 今期の連結売上高は?
A. 25,668億円(前年比+4.8%)
Q. 純利益が赤字の理由は?
A. 新会計基準適用による一過性損失が発生(法人税関連)
Q. 優待の利回りは?
A. 株数と利用額により異なるが、実質3~7%のキャッシュバックが魅力
✍ まとめ:イオン(8267)はどんな投資家に向いている?¶
向いている投資家タイプ | 理由 |
---|---|
長期保有志向 | 配当+優待の還元バランスが良く、生活密着型事業で安心感あり |
優待を重視する個人投資家 | オーナーズカードによる実利型の優待はトップクラスの満足度 |
安定収益重視 | 食品・日用品など景気に左右されにくいセグメントが支えとなっている |
📚 参考情報・出典¶
※本記事は2025年8月1日時点の情報に基づき執筆しています。