吉野家ホールディングス(9861)2026年2月期第1四半期決算を徹底分析 ― 成長路線は続くもコスト増が重荷¶
吉野家ホールディングスが2026年2月期第1四半期決算を発表。
既存店の伸長、ラーメン事業M&Aなどで売上・純利益ともに増加した一方、原材料費や人件費の上昇が依然として利益を圧迫。
今後の株主還元や成長戦略、リスクも含めて、投資初心者にもわかりやすく解説します。
✅ 決算サマリー(2026年2月期第1四半期・連結)¶
指標 | 今期実績 | 前年同期比 | 評価 |
---|---|---|---|
売上高(営業収益) | 522億18百万円 | +9.8% | 好調(過去最高更新) |
営業利益 | 10億56百万円 | +20.0% | 増益・改善傾向 |
経常利益 | 12億41百万円 | +0.3% | 横ばい |
親会社株主に帰属純利益 | 7億42百万円 | +9.0% | 堅調 |
※注記:一部会計方針変更あり(影響軽微)
出典:株主・投資家情報
🔍 ポイント①:業績ハイライト¶
- 全セグメントで増収達成(吉野家+8.0%、はなまる+4.6%、海外+0.1%、ラーメン事業は売上+96.2%、営業利益+252.7%)
- ラーメン事業のM&A寄与が大きく、その他セグメント売上が大幅増
- 原材料費(特に米)・人件費の上昇で吉野家単体の利益は減益
- 価格改定や新サービスモデル店舗拡大で客数維持
- 既存店売上高は全社で前年同期比104.0%、吉野家単体で105.1%と好調
🔍 ポイント②:主要事業セグメントの動向(抜粋)¶
吉野家¶
- 売上高:343億57百万円(+8.0%)
- 利益:9億27百万円(▲9.5%)
- 原材料費・人件費増を価格改定や新モデル転換でカバーも、利益は減少
はなまる¶
- 売上高:80億1百万円(+4.6%)
- 利益:7億18百万円(+9.3%)
- キャンペーン・新商品投入効果、利益率も改善
海外¶
- 売上高:68億58百万円(+0.1%)
- 利益:4億15百万円(▲11.6%)
- 為替影響とアメリカの人件費増で利益は減少。中国・シンガポールは健闘
ラーメン(その他)¶
- 売上高:36億86百万円(+96.2%)
- 利益:2億38百万円(+252.7%)
- M&Aで宝産業・キラメキノ未来の子会社化が寄与。新成長ドメインへ
💰 株主還元策のアップデート¶
配当(方針・予想)¶
項目 | 前期実績 | 今期(予想) |
---|---|---|
中間配当 | 10円 | 10円 |
期末配当 | 10円 | 10円 |
年間合計 | 20円 | 20円 |
配当利回り目安 | 約0.65% | 安定的 |
※前期同水準を継続、配当維持方針
出典:配当ページ
株主優待(吉野家グループ共通食事券)¶
- とても使い勝手の良い食事券で人気!吉野家だけでなく、はなまるうどんでも使える!
- 100株以上保有で年2回(2月末・8月末)、各2,000円分(500円券×4枚)食事券を進呈
- 年間合計4,000円分の優待(長期保有による追加特典はなし)
- 株数により最大2000株位以上で、2月末、8月末の半期毎に24枚の500円サービス券を進呈
- 食事券は吉野家・はなまる・グループ飲食店等で利用可能
- 優待+配当利回りは総合で2%台前半(2025年8月時点株価で試算)
- 日常使い・生活密着型の“実利型”優待として根強い人気
詳細:公式優待ページ
📈 投資判断のポイント¶
ポジティブ要素¶
- 国内既存店がしっかり伸長、事業基盤は安定
- ラーメン事業の拡大・多角化で成長期待
- 株主優待・配当の「生活密着型」還元策
- 訪日外国人増加や外食需要回復の追い風
リスク要因¶
- 原材料費(米・牛肉等)や人件費の高止まり
- 円高・海外(特に米国)事業の人件費増
- 既存主力事業の利益率低下懸念
- 景気悪化や消費低迷局面で業績影響あり
📊 株価インパクト(発表前後の株価変動)¶
指標 | 値段 |
---|---|
発表前終値 | 3,050円(2025年7月5日) |
発表当日終値 | 3,045円(2025年7月8日) |
騰落率 | ▲0.16% |
- 決算発表直後は小動き。売上・利益進捗は好調だが、コスト高・今後の見通しがやや重石
出典:Yahoo!ファイナンス
🏁 総合評価:この決算は「中立~ややポジティブ」¶
- 全セグメント増収、成長領域のラーメン事業も好調
- コスト高の影響強く、主力の吉野家単体は減益
- 進捗率は順調だが、利益率の反転には追加施策が必要
- 優待+配当利回りは安定的で、長期保有向き
🗣 投資家の声(口コミ・レビューより)¶
- 「吉野家の優待券は本当に使いやすい!生活密着で重宝」
- 「コスト増が心配だけど、長期ならまだ安心」
- 「ラーメン事業の拡大に期待」
- 「海外の回復が遅いのは気になる」
Q&Aでおさらい¶
Q. 今期の売上高と増減率は?
A. 522億18百万円、前年同期比+9.8%
Q. 吉野家単体の利益はどうだった?
A. セグメント利益は9億27百万円(▲9.5%)で減益、原材料費増が影響
Q. 優待の実質利回りは?
A. 100株で年間4,000円分、配当と合わせて2%台前半(2025年8月時点株価)
✍ まとめ:吉野家ホールディングス(9861)はどんな投資家に向いている?¶
向いている投資家タイプ | 理由 |
---|---|
長期保有志向 | 配当+優待のバランス、生活密着型で安定感 |
優待重視 | 実利型の優待が日常生活で使いやすい |
成長性重視 | 多角化(ラーメン事業)・M&Aによる拡大余地 |
ディフェンシブ志向 | 外食チェーンの中でも価格・業態転換の柔軟性に強み |
📚 参考情報・出典¶
※本記事は2025年8月2日時点の情報に基づき執筆しています。